ある日のレッスン。
先生が延々とDの解放弦を鳴らす。
そこに私が同じようにFの音を延々と鳴らす。
レとファの音がハモって聞こえる。
その時、突然上の方から別の音程の音が聞こえた。
A、ラの音?
先生と私の他に誰も二胡を弾いていない。
これこそが倍音のなせる神の声。
合唱などでもピタッと綺麗にハモると、天の方から別の音程の音が聞こえるので、それを「神の声」と昔の人は言ったんだろう。
いや、本当にこんなの聞こえたら神の声だと思うよ。
自分たちが出してない音だもの。
元々いろんな音には倍音が含まれている。
同じ楽器でも音の高さが違うと音の波形も変わってくる。
その波形が重なった時にうまくハマると別の音が生まれる。
二胡には倍音がたくさん含まれてると聞いていたけど、あまり実感していなかった。
ハーモニクスも楽譜に書いてある通り、弦を押さえず触れる感じで弾くということに集中して、倍音が鳴ってるとは思ってなかった。
今回の神の声を聞いたことで、倍音に対して自分の頭の中で扉が開かれた感がある。
実際理論的に理解してるのかといったらまだあやふやで怪しいところではあるけれど。
それより、あの神々しい声を聞いたらまた聞きたい!と思い、そういう努力をするのがいいのかも。
ステージの上で弾きながら聞けたらいいなと思う。